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2009年11月21日

「脳のギプス」

もしくは「モンゴルマンのマスク」と自分で勝手に呼んでいた薬を、
医師の指示で、初めて切った。今のところ、ほとんど問題ない。

8月からずっと飲んでいた薬で、これのおかげでやっとまともに動くことができ、とても重宝していた。
でも多い時で法定MAXまで飲む量が増えて、その期間も長かったので、少し複雑な心境だった。
しかし医師の親身なアドバイスがあったので、無駄にあがくこともなかった。
そういうわけで、医師の判断でこれが切られたことは、一応の進歩の証として、けっこう嬉しい。
(とは言っても他の代替薬への切替えはある。根本的にはまだ治療は続いている。)

「脳のギプス」と呼んだのは、初めて飲んだとき、まさしくそんな感触がしたから。
頭蓋骨の中にある脳味噌を、安定したカバーみたいなもので、
ガシっと固定してもらったみたいな感触だった。未体験の感覚で驚いた。これはすごいなと思った。
体や意識が自由に動くということは、逆に無理な方向への運動や、無駄な消耗も出来るということだが、
その自由を少し制限して、良い方向に固定したり、保護して休むことに専念しやすくする感じの薬だった。
実はそれほど強力な薬でもなく、意外と普通の人でも飲むようなので、
ギプスが大げさなら、テーピングみたいなものかもしれない。私は脳神経にテーピングしていたわけだ。

科学の進歩は、すごいなと思う。
私は約10年ほど前、今とちょっと似たような境遇になった時があったけど、
その時はこんな優れた薬も、落ち着いて安定的に治療させてくれる方法論も、なかった。
私が当時医者からしてもらった事は、「ヒロポンの次の次の次ぐらいに強い」らしい、
「ブースター」というあだ名を持つ強い向精神薬を、説明もなくポンと渡されただけだった。
これ、気分はアッパーにはなったけど、実際の治癒や生活には、まったく役に立たなかった。
脈略なく気分だけが激高しても、固有の知能や能力までが向上するわけではない。
また脳や神経のエネルギーは逆に枯渇する。なのでさらに状態は悪化する。無茶としか言いようがない。
(蛇足だが、脈絡のないポジティブシンキングも、そういう危険を孕んでいると思う。)
当時は、そんなこともわからない医者が、一部だったとしても、存在したのだ。

私がかかっている症状は、器質性(物理的な)障害ではないものの、
ネットで見つけたある医者の言葉によると、「脳の裂傷」に近いらしい。
誰もがそうなる可能性があるし、誰もが直ることができる。
しかし直る前の力が戻るかは、まったくわからない。
だから同じことになったら、本当に慎重に、ゆっくり直す必要がある。
それが今の常識らしい。私はその常識は、良識として受け入れたいと思う。

投稿者 cergey : 2009年11月21日 23:43